依頼:「ふるさと納税で食べ物を限界までもらえ」報酬は冷凍焼けした牛肉1kg

依頼主から連絡が来たのは年末じゃった。
「GENZOさん、ふるさと納税の返礼品で食べ物を限界までもらって、全部消費してください。報酬は冷凍焼けした牛肉1kg(5000円相当)です」
冷凍焼けしとるんかい。いや待て、そもそもワシの限度額を考えると相当な量になるぞ。しかも「全部消費」とはどういうことじゃ。
だがワシは無一文レジェンドGENZO。断る理由がない。年末までに届く返礼品を片っ端から申し込み、すべて胃袋に収める——それがミッションじゃ。
冷凍庫が爆発した日——食材テトリスの限界

最初は順調じゃった。北海道のいくら500g、宮崎牛切り落とし1kg、博多明太子2kg、うなぎ蒲焼4尾、ホタテ貝柱1kg。
「ほれ見てみい、ワシは計画的な男じゃ」と冷凍庫にきれいに収納しておった。テトリスの達人を自称しておったわい。
じゃがな、12月中旬から地獄が始まった。
- 佐賀牛ステーキ800g——到着
- カニ爪1.5kg——到着
- シャインマスカット冷凍2房——到着
- 豚バラブロック2kg——到着
- マグロ赤身1kg——到着
冷凍庫の扉を開けた瞬間、凍った明太子がワシの足の上に落下してきおった。激痛。そして気づいた。もう何も入らん。
「詰んだ……完全に詰んだわい」
冷蔵室に避難させた生モノは賞味期限との戦い。居間のテーブルには解凍待ちの肉が山積み。家族からは「アンタ正気か」と冷たい視線。ワシは自分で作った食糧難民キャンプの中で立ち尽くしておった。

ふるさと納税で冷凍庫パンパンにした経験、ワシにもあるわい…腰が痛い
開き直りの境地——「もう全部焼いたれ」

三日三晩、ワシは悩んだ。計画を立てようとした。じゃが無理じゃった。計算すると1日あたり肉500g消費せねばならん。胃袋が先に死ぬ。
そして四日目の朝、ワシは悟った。
「もうどうでもええわ。考えるのをやめる」
その瞬間、体が勝手に動き出した。庭にバーベキューコンロを設置し、近所の独居老人たちに声をかけた。「肉があるんじゃ。食いに来い」
来た来た。暇を持て余した爺さん婆さんが15人も集まりよった。
朝から晩まで肉を焼き続けた。いくらは軍艦巻きにして配り、うなぎはひつまぶしにして振る舞った。明太子はおにぎりの具になり、カニ爪は争奪戦になった。
ワシは焼き係として12時間立ちっぱなし。煙で目は真っ赤、腕は火傷だらけ。じゃが肉は確実に減っていく。
完食の記録——地獄のフードファイト全記録

年末年始を挟んで17日間、ワシは戦い続けた。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 消費した返礼品総重量 | 18.3kg |
| 開催したBBQ回数 | 4回 |
| 動員した近所の老人 | 延べ42人 |
| 体重増加 | +3.8kg |
| 胃薬消費量 | 3箱 |
| 火傷の数 | 7箇所 |
最後の一切れ——冷凍焼けしかけたホタテ——を口に入れた瞬間、ワシは悟った。「二度とやらん」と。
じゃが依頼は完遂した。すべての返礼品は胃袋に収まった(一部は近所の胃袋じゃが、まあええじゃろ)。
報酬:冷凍焼けした牛肉と「ありがたやぁ」の涙

依頼主から届いた報酬を開封した。
出てきたのは霜だらけで色が変わった牛肉1kg。いや待て、ワシが18kg食った後にまた肉かい。しかも冷凍焼けしとるやないか。
……じゃがな、ワシは受け取る。文句あるか。
「ありがたやぁ……もらえるだけありがたいんじゃ……」
近所の爺さんたちは「またBBQやるんか!」と目を輝かせておる。やらんわい。当分肉は見とうない。
来年のふるさと納税?タオルとティッシュにすると心に誓ったわい。食い物はもう懲り懲りじゃ——おい、間違ってもワシの真似して返礼品を限界まで頼むなよ、冷凍庫と胃袋と家族関係が全部壊れるからの。
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