依頼主から連絡が来たんじゃ。「1日500円で3日間生活してください。報酬は図書カード500円分です」と。
……おい、待て。3日間で1,500円しか使えんのに、報酬が500円じゃと?完全に赤字じゃろうが。でもな、ワシはGENZOじゃ。やると言ったらやるんじゃ。文句あるか。
地獄の3日間、そして一度死んだ話

1日目は余裕じゃった。朝は白米だけ、昼はカップ麺の半分、夜は卵かけご飯。合計487円。「なんじゃ、楽勝じゃないか」と調子に乗っておったんじゃ。
2日目から雲行きが怪しくなった。空腹で頭が回らん。スーパーの見切り品コーナーで3時間粘って、半額の食パンと傷んだバナナを確保。それでも足りん。夜は白湯を3杯飲んで胃を誤魔化したわい。
そして3日目の朝、ワシは完全に沈んだ。
目が覚めたら天井がぐるぐる回っておる。立ち上がろうとしたら膝から崩れ落ちた。「あ、これ死ぬやつじゃ」と本気で思ったわい。
じゃがな、ワシは諦めんのじゃ。這うようにして玄関まで行ったら、近所のおばちゃんが通りかかってな。「あんた顔色やばいよ」と言って、梅干し3個と塩昆布を恵んでくれたんじゃ。
塩分が体に染み渡った瞬間、ワシは復活した。理屈はない。気合と塩分じゃ。
やり切った結果を数字で見せてやる

ほれ見てみい。3日間の全記録じゃ。
| 日付 | 食費 | 主な食事 | 身体状態 |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 487円 | 白米・カップ麺半分・卵 | 余裕 |
| 2日目 | 498円 | 半額パン・傷バナナ・白湯 | ふらつき開始 |
| 3日目 | 412円 | もやし・豆腐・塩 | 一度死亡→復活 |
3日間合計:1,397円。予算1,500円に対して103円余ったわい。じゃが体重は2.1kg減。顔色は土気色。鏡を見たら知らん爺がおった。
- 体重:62.3kg → 60.2kg(-2.1kg)
- 睡眠時間:平均4時間(空腹で眠れん)
- トイレ回数:激減(出すもんがない)
- 幻覚:3日目に一度見えた(白い光じゃった)
3日目の夕方、白い光が見えたんじゃ。「あ、これが悟りか」と思った。後から考えたらただの低血糖じゃったかもしれんがな。でもワシはあれを悟りと呼ぶことにしたんじゃ。文句あるか。
報酬を受け取った瞬間、涙が出た

依頼主から届いたのは、約束通り図書カード500円分じゃった。
3日間で2kg痩せて、一度死にかけて、幻覚まで見て。その報酬が図書カード500円。
命の値段が500円。しかも現金ですらない。図書カードじゃぞ。本屋でしか使えんのじゃぞ。
……でもな、ワシは感謝しておる。ありがたやぁ。
だってそうじゃろう。この歳になって、誰かがワシに仕事をくれるんじゃ。たとえ報酬が図書カード500円でも、「お前にやってほしい」と言ってくれる人がおるんじゃ。それだけで十分じゃないか。
ちなみにこの図書カードで何を買うか決めておる。料理本じゃ。次はもっと上手く500円生活をやってやるわい。
最後に言っておく。絶対にマネするな

いいか、お前ら。絶対にマネするんじゃないぞ。
ワシは長年の貧乏生活で鍛えられた胃袋と、近所のおばちゃんネットワークと、何より失うものが何もないという最強の武器があるから生き延びられたんじゃ。
- 普通の人間がやったら倒れる
- 持病がある人は絶対にやるな
- 若くても油断するな、3日目は本当に来る
- 悟りは開けん。あれは低血糖じゃ
ワシがやったから「できる」と思うな。ワシは普通じゃないんじゃ。老後破産寸前で、プライドも常識も全部捨てた男じゃ。お前らとは違う。
ゴールは天国か、口座ゼロか。ワシは今回、天国の入り口をチラッと見てきたわい。
次の依頼が来るまで、ワシは図書カードを握りしめて待っておる。どんな無茶振りでも、やり切る。それがGENZOじゃ。
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