音楽を聴くだけで、なぜ人は泣いてしまうのか?

実はわし、ずっと気になっておってな。
映画のサントラを聴いていたら、急に目頭が熱くなったことはないかの? 歌詞の意味なんてわからない洋楽なのに、なぜか胸がギュッとなる。あるいは、昔よく聴いていた曲が流れた瞬間、涙がポロッとこぼれる。
不思議じゃよなあ。音楽には歌詞がなくても、言葉が通じなくても、人を泣かせる力があるのじゃ。
これは一体、脳の中で何が起きておるのか? わしが論文を読み漁った結果、見えてきた答えがあるのじゃよ。
音楽で涙が出るメカニズムを解き明かすのじゃ

脳内で「快感物質」がドバドバ出ておる
音楽を聴くと、脳からドーパミンという物質が放出されるのじゃ。つまり「気持ちいい!」と感じるときに出る快感ホルモンじゃな。
面白いのは、曲のサビに入る直前にもドーパミンが出るということ。「来るぞ、来るぞ……キタァァ!」というあの感覚、あれは脳が先回りして快感を予測しておるのじゃよ。
つまりね、めちゃくちゃ簡単に言うと――音楽は脳にとって「ご褒美」と同じなのじゃ。美味しいものを食べたとき、好きな人に会えたときと同じ回路が動いておる。
自律神経が「感動モード」に切り替わる
涙が出るのは、自律神経の働きも関係しておる。音楽を聴くと副交感神経が優位になり、体がリラックスモードに入るのじゃ。
すると、普段は抑えていた感情がふっと緩む。これが「なぜか涙が出る」という現象の正体じゃよ。泣きたいわけじゃないのに涙が出るのは、体が勝手に「泣いていいよ」と許可を出しておるからなのじゃ。
記憶と感情がセットで蘇る
音楽は海馬(記憶を司る部位)と扁桃体(感情を司る部位)の両方を刺激するのじゃ。
だから、昔の曲を聴くと「あの頃の記憶」と「あの頃の感情」がセットで蘇ってくる。曲自体が悲しいかどうかは関係ない。その曲を聴いていた自分の感情が、丸ごと再生されるのじゃよ。
最新の研究によると、「鳥肌」と「涙」は別ルートらしいのじゃ

最近、イギリスの研究チームが発表した論文でな、興味深いことがわかったのじゃ。
音楽を聴いて鳥肌が立つ反応と、涙が出る反応は、脳の別々の経路で起きておるらしい。
鳥肌は「興奮・高揚」の反応、涙は「感動・郷愁」の反応として区別できる
つまりね、めちゃくちゃ簡単に言うと――
- 鳥肌:「うおおお!すごい!」という興奮系の感動
- 涙:「ああ……」というしみじみ系の感動
同じ「感動」でも、脳は使い分けておるのじゃな。ライブで鳥肌が立つのと、一人で静かに聴いて泣くのは、感動の種類が違うというわけじゃ。
ついでに覚えておくと面白い雑学じゃ

ほほう、ここからは雑学のコーナーじゃよ。
| 雑学 | 内容 |
|---|---|
| 悲しい曲を好む理由 | 悲しい曲を聴くと「プロラクチン」という慰めホルモンが出る。実際には悲しくないのに慰められるので、むしろ心地よいのじゃ |
| 赤ちゃんも泣く | 生後数ヶ月の赤ちゃんでも、短調の曲を聴くと悲しそうな表情をする。音楽への感情反応は学習ではなく本能に近いのじゃ |
| 認知症でも残る | 記憶を失った認知症患者でも、昔聴いた曲には反応する。音楽の記憶は脳の深い場所に刻まれておるのじゃな |
実はの、音楽で泣けるというのは人間だけの特権かもしれんのじゃ。他の動物も音には反応するが、「感動して泣く」という反応は確認されておらん。
で、結局どういうことじゃ?

まとめると、こうなるのじゃ。
- 音楽は脳の快感回路を刺激し、ドーパミンを放出させる
- 自律神経がリラックスモードに入り、感情のガードが緩む
- 記憶と感情がセットで蘇り、過去の自分に再会する
- 「鳥肌」と「涙」は別の感動ルートで起きておる
音楽を聴いて涙が出るのは、弱いからでも感傷的だからでもない。脳が正常に、そして豊かに働いている証拠なのじゃよ。
次に音楽で泣きそうになったら、恥ずかしがらずに泣くがよい。それは、人間にだけ与えられた不思議で素敵な能力なのじゃから。
わからないことは、世界で一番おもしろい。
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