依頼主から連絡が来たんじゃ。「0円で起業して、1日で売上を立ててこい」と。ギャラは缶コーヒー1本。命の値段が130円じゃと?……まあ、やるんじゃ。ワシはGENZOじゃからな。
元手ゼロ。資金ゼロ。人脈ゼロ。あるのは老体と根性だけじゃ。これで起業しろというんじゃから、依頼主も相当イカれておるわい。
路上に立った瞬間、人生が詰んだ

まずワシが考えたのは、家にある不用品を路上で売るというシンプルな作戦じゃった。押し入れから引っ張り出したのは、昔買った自己啓発本5冊と、使わんくなった腕時計、あとは謎の置物じゃ。
駅前の広場にダンボールを敷いて、商品を並べたんじゃ。「全品100円」と書いた紙を貼り付けて、いざ開店。
開店から3分じゃった。
「すみません、ちょっといいですか」
振り返ったら警察官が2人、ワシの後ろに立っておった。完全に詰んだわい。
職務質問じゃ。身分証を見せろ、ここで何をしているのか、許可は取っているのか。矢継ぎ早に質問が飛んでくる。ワシは正直に答えたわい。「0円で起業しようとしておるんじゃ」と。
警察官の顔が一瞬フリーズしたのを、ワシは見逃さんかったぞ。
結論から言うと、道路使用許可がないと路上販売はできんのじゃ。知らんかった。いや、薄々知っておったが、0円起業じゃから許可取る金もないわい。警告を受けて、その場は撤収じゃ。
一度完全に沈んだんじゃ。ダンボールを抱えて公園のベンチに座り込んで、空を見上げたわい。「もう終わりか……」と思った。
じゃがな、そこで諦めるワシじゃない。近くの自販機で水を飲んで(これは元から持っておった小銭じゃ)、気合で復活したんじゃ。理屈はない。ワシがGENZOじゃからな。
作戦変更、フリマアプリで勝負じゃ

路上がダメなら、ネットで売ればええんじゃ。スマホは持っておる。フリマアプリなら0円で出品できる。
さっそく商品を撮影して出品したわい。結果はこうじゃ。
| 商品 | 出品価格 | 売れたか |
|---|---|---|
| 自己啓発本5冊セット | 300円 | 売れた |
| 腕時計(電池切れ) | 500円 | 売れず |
| 謎の置物 | 100円 | 売れた |
出品から4時間で2件売れたんじゃ。売上は400円。送料と手数料を引いたら、手元に残ったのは180円じゃった。
180円の起業じゃ。笑いたければ笑えばええわい。でもな、ゼロから売上を立てたんじゃ。これが0円起業の現実じゃ。
- 警察に職質されるまでの時間:3分
- フリマアプリで売れるまでの時間:4時間
- 最終売上:400円(純利益180円)
- 精神的ダメージ:計測不能
報酬は缶コーヒー1本、それでもありがたやぁ

依頼主に報告したわい。「0円起業、やり切ったぞ。売上400円、純利益180円じゃ」と。
依頼主は言うたんじゃ。「警察に声かけられたの面白いね。はい、これ」と。
渡されたのは缶コーヒー1本じゃった。微糖。
ワシの命の値段、130円。……まあ、ありがたやぁ。
考えてみれば、0円で始めて180円稼いで、さらに缶コーヒーまでもらえたんじゃ。トータルで310円のプラスじゃわい。老後破産寸前のワシにとっては、これでも大金じゃ。
警察に職質されたことも、今となってはええ思い出じゃ。あの警察官、最後に「お体に気をつけて」と言うてくれたんじゃ。優しい世の中じゃわい。
絶対にマネするな、お前らには無理じゃ

最後に言うておく。絶対にマネするなよ。
路上販売は許可がないと違法じゃ。ワシは知らんかったが、お前らは今知ったじゃろ。知った上でやったら言い訳できんぞ。
- 道路使用許可なしの路上販売 → 道路交通法違反
- 公園での無許可販売 → 都市公園法違反
- 届出なしの古物販売 → 古物営業法違反の可能性
ワシがやり切れたのは、ワシがGENZOじゃからじゃ。普通の人間には缶コーヒー1本分の価値もないぞ。冗談じゃ。でも半分本気じゃ。
0円起業は可能じゃ。じゃがな、法律は守れ。許可が必要なものは許可を取れ。それができんなら、フリマアプリで家の不用品を売るところから始めるんじゃ。
ワシは今日も生きておる。缶コーヒーを飲みながら、次の依頼を待っておるわい。
ゴールは天国か、口座ゼロか。——無一文レジェンドGENZO、次回も地獄を見せてやるわい。
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