依頼は「廃材だけでPC自作」、報酬は焼き切れたCPUファン1個

今回の依頼主は、近所の廃品回収をやっとる怪しいおっさんじゃった。
「GENZOさん、うちの倉庫にある廃材だけでPC組んでくれませんか。パーツは買わんでいいです。全部ゴミから調達してください」
報酬を聞いたら、焼き切れて動かなくなったCPUファン1個じゃと。何に使えっちゅうねん。扇風機にもならんぞ、これ。
じゃが、ワシは無一文レジェンドGENZO。依頼を選ぶ立場にはおらん。やるんじゃ。廃材だけでPCを組む。本当にできるのか?ワシにもわからん。
集めた廃材、全部ゴミじゃった

依頼主の倉庫に行って、まず絶望したわい。
- マザーボード → 基板が真っ二つに割れとる
- 電源ユニット → コードが全部ちぎれとる
- ケース → 錆びて穴が開いとる
- メモリ → 端子が緑色に変色しとる
- HDD → カラカラ音がする(完全に死んどる)
「これ、PCのパーツやない。ただの産業廃棄物じゃ」
それでもワシは作業を始めた。まず割れたマザーボードを接着剤で貼り合わせる。電源のコードをねじって繋ぎ直す。錆びたケースはヤスリで削る。
3時間が経った。
目の前にあったのは、PCの形をした何かじゃった。電源を入れてみる。ブツッ。火花が散った。煙が出た。そして沈黙。
「……終わりじゃ」
ワシは倉庫の床に座り込んだ。手は接着剤でベトベト。顔には煤がついとる。何をやっとるんじゃ、ワシは。廃材でPCなんぞ、最初から無理じゃったんじゃ。
腐った飴玉で、ワシは蘇った

どれくらい座っとったかわからん。意識が朦朧としてきた頃、ポケットに手を突っ込んだ。
何か出てきた。賞味期限が3年前に切れた飴玉じゃった。
いつポケットに入れたのかも覚えとらん。包み紙は変色しとる。舐めたら死ぬかもしれん。じゃが、ワシは迷わず口に放り込んだ。
甘い。いや、甘くない。なんじゃこれ、酸っぱいぞ。発酵しとるんか?舌がピリピリする。胃が暴れ出す。やばい、これはやばい。
じゃが、その瞬間、体の奥底から何かが湧き上がってきた。怒りか?意地か?いや、違う。腐った飴の刺激で、脳が覚醒したんじゃ。
「待てよ……PCが作れんなら、別のもんを作ればええんやないか」
ワシは立ち上がった。足はフラフラじゃ。手はまだベトベトじゃ。じゃが、もう止まらん。廃材を見回す。マザーボード、ケース、ネジ、金属板……これ、棚の材料やないか。
ワシは笑った。PCは無理じゃ。じゃが、棚なら作れる。誰がPCを作れと言った?依頼主か?知らん。ワシが作りたいもんを作るんじゃ。
完成したのは、世界一カッコ悪い棚

作業時間、合計7時間。完成したのは高さ60cm、幅40cmの小型棚じゃった。
| 使用素材 | 元の用途 |
|---|---|
| PCケース(側面) | 棚板 |
| マザーボード | 背板(穴だらけ) |
| 電源ユニットの金属枠 | 支柱 |
| HDDの筐体 | 補強材 |
| ネジ類 | そのまま使用 |
見た目は最悪じゃ。錆びとるし、穴だらけじゃし、触ると手が汚れる。じゃが、ちゃんと物が置ける。本を3冊載せてみた。倒れん。立派な棚じゃ。
かかった費用はゼロ円。全部廃材じゃからな。身体へのダメージは、腰痛と、腐った飴による軽い腹痛。あと手が接着剤で3日間ベトベトじゃった。
報酬は焼けたファン、でもありがたやぁ
[IMG5]依頼主に完成品を見せたら、こう言われた。
「これ、PCやないですよね」
「棚じゃ。文句あるか」
依頼主は黙って、約束通り焼き切れたCPUファンを渡してきた。回らん。使い道がない。じゃが、ワシはそれを受け取った。
「……ありがたやぁ。これ、棚に飾っとくわい」
結局、廃材でPCは作れんかった。じゃが、棚は作れた。人生、思い通りにいかんもんじゃ。それでもやり切る。それがGENZO。お前らは絶対にマネするなよ、腐った飴で腹を壊すだけじゃからな。
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