【実録】1週間ネットニュースの見出しだけで生活したら精神崩壊した

依頼内容は「見出ししか見るな」——ギャラは使用済みクリックボールペン1本

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依頼主は謎のIT系メディア関係者じゃった。「1週間、ネットニュースの見出しだけで生活してくれ。本文は絶対に読むな」という無茶振りを持ってきおった。

ギャラは——使用済みクリックボールペン1本。インクはほぼ切れとる。依頼主曰く「記事を書くのに使ったペンです。思い出が詰まってます」とのこと。知らんわい、そんな思い出。

「見出しだけ見て、勝手に内容を想像して生活してください。答え合わせは禁止です」

ワシは68歳じゃぞ。ネットニュースの見出しなんぞ、毎日何百と流れてくる。それを本文を読まずに脳内で補完し続ける——正気の沙汰じゃない。じゃが、ワシはGENZOじゃ。やるしかないんじゃ。


3日目で脳が沸騰——見出しの海に溺れて「詰んだ」

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初日と2日目は余裕じゃった。「【悲報】○○が衝撃発言」「△△さん、まさかの行動に批判殺到」——ほうほう、たぶんこういう内容じゃろうと想像して過ごした。楽勝じゃわい。

じゃがな、3日目から地獄が始まった。

  • 「【速報】政府が驚きの決定」→ 何を決定したか分からん
  • 「人気俳優Aに不倫疑惑か」→ Aって誰じゃ、想像が追いつかん
  • 「専門家が警鐘『このままでは…』」→ 何がこのままでは何なんじゃ!

見出しだけが脳内に蓄積されていく。答えのないクイズを永遠に解かされる拷問じゃった。夜、目を閉じても見出しが浮かぶ。「【緊急】」「【炎上】」「【衝撃】」——赤い文字がチカチカして眠れん。

5日目の朝、ワシは限界を迎えた。「もう終わりじゃ」——本気でそう思った。スマホを持つ手が震えとる。見出しを見るたびに吐き気がする。世界中のニュースが全部ワシを責めとるような感覚。「お前は何も知らない」「真実を見ろ」「でも見るな」——矛盾した声が頭の中で渦巻いて、椅子から崩れ落ちたんじゃ

天井を見上げながら思った。「ワシ、インク切れのボールペン1本のために死ぬんか……」と。


復活のきっかけは——隣の部屋から聞こえた「ラジオ体操」

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床に倒れて動けんかった。見出しの残像がまだ視界をチラついとる。「【悲報】GENZO、終了のお知らせ」——自分で自分の見出しを作っとった。完全に壊れとる。

そのとき、隣の部屋から音が聞こえてきた。「♪新しい朝が来た、希望の朝だ〜」——ラジオ体操の音楽じゃった。隣に住んどる80代のおばあさんが、毎朝6時半にやっとるやつじゃ。

ワシは最初、「うるさいわい」と思った。じゃがな、その歌詞がワシの腐りかけた脳みそに刺さったんじゃ。「希望の朝」——そうじゃ、見出しには希望がないが、朝は来るんじゃ。意味不明な理屈じゃが、そのとき確かにワシの中で何かが動いた。

気づいたら床で腕を回しとった。「腕を前から上にあげて〜」という声に合わせて、倒れたまま手足をバタバタ動かす68歳。完全に不審者じゃ。じゃがな、血が巡り始めた。脳に酸素が届いた。

「……まだ、やれるわい」

ワシは立ち上がった。足はガクガク、目はまだチカチカしとる。じゃが止まらん。ラジオ体操のおかげで復活したなんて誰にも言えんが、事実なんじゃから仕方ない。ダメージを引きずったまま、残り2日間に突入した。見出しを見ても、もう何も感じんようになっとった。感情が死んだのか、悟りを開いたのか——たぶん前者じゃ。


7日間の記録——見出し閲覧数と精神ダメージの軌跡

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やり切った。1週間、本文を一度も読まずに見出しだけで生活した。以下がその記録じゃ。

日数閲覧した見出し数精神状態
1日目約150件余裕
2日目約200件やや疲労
3日目約180件不眠開始
4日目約220件幻覚(見出しが浮かぶ)
5日目約100件崩壊・床に倒れる
6日目約80件無感情モード突入
7日目約50件虚無

合計で約980件の見出しを本文なしで処理した。医療費はかかっとらんが、目薬代が1,200円睡眠導入剤代が800円かかった。見出しを見すぎて目が乾き、脳が興奮して眠れんかったんじゃ。

教訓として言えるのは、人間は「答え」がないと壊れるということじゃ。見出しは問いかけじゃ。その問いに答えを与えんまま放置すると、脳が勝手に答えを作り始める。そして暴走する。ワシの脳は完全に暴走しとった。


報酬は約束通り——インク切れボールペンを握りしめて

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依頼主が持ってきたのは、約束通りの使用済みクリックボールペン1本じゃった。試しに紙に書いてみたら、かすれてほぼ読めん。「思い出が詰まってます」とか言うとったが、思い出で腹は膨れんぞ

「……まあ、ありがたやぁ。インクがなくても、ワシの記憶には残るわい」

ギャラはゴミ同然じゃが、やり切ったという事実は消えん。見出しだけで1週間——普通の人間には無理じゃ。ワシは普通じゃないからできた。それだけの話じゃ。

最後に一つだけ言うとく。お前ら、ニュースはちゃんと本文まで読め。見出しだけ見て分かった気になるな。じゃないとワシみたいに床で腕を回す羽目になるぞ——絶対にマネするなよ、ボールペン1本じゃ割に合わんからな。

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この記事を書いたライター
老後破産の淵から這い上がる、最年長リアルチャレンジャー。
激安生活・体当たり企画・0円ビジネスを、失敗も赤字も隠さず実況中継。どんなに詰んでも必ず生き返るのがワシの流儀じゃ。
「命があれば、やり直せるんじゃ。」

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