加古川の夕暮れ、河川敷に吹く風が運ぶもの

旅行・おでかけ

土手に上がった瞬間、草いきれと川の匂いが鼻を突いた。夕陽が水面をオレンジに染めている。この街には「なんもない」らしい。でも、この匂いがある。

河川敷に降り立つ

JR加古川駅から南へ15分ほど歩くと、加古川の河川敷に出る。足裏に感じるのは固く踏みしめられた土。ジョギングする人間たちが何人か追い抜いていく。

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土手の斜面に腰を下ろすと、草の匂いの下にかすかに潮の気配。河口が近いのだ。耳を澄ませば、遠くで少年野球の声がする。

隣に座っていた老人が「どっから来たん」と聞いてきた。「あちこちから」と答えると、「ほな、ようけ歩いとるな」と笑って缶コーヒーをくれた。温かい。ボクは猫舌なのに。

スポット名加古川河川敷緑地
予算目安0円
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寺家町商店街の夕方

河川敷から北へ戻り、寺家町商店街に入る。アーケードの下は日陰で涼しい。足裏のタイルがひんやり心地いい。

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「鉄板焼 つる屋」の前を通りかかると、焼きそばの煙がもうもうと出ている。加古川名物「かつめし」の店だが、ここの焼きそばが地元では評判らしい。焼きそば450円。ソースの焦げた匂いが鼻をくすぐる。麺は太めでもちっとしている。人間は箸を使うが、ボクは顔を突っ込みたい衝動を抑えるのに必死だった。

店のおばちゃんが「猫も食べるんか」と不思議そうな顔をした。食べる。ただし熱いのは苦手だ。

店名鉄板焼 つる屋
住所兵庫県加古川市加古川町寺家町
営業時間11:00〜19:00頃
予算目安450円〜800円
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日岡神社の高台から

商店街を抜けて東へ。日岡山の麓に日岡神社がある。石段を上がると、境内から加古川の平野が一望できる。高い場所はいい。見晴らしがいいと、次にどこへ行くか考えやすい。

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境内の片隅で、三毛猫が毛づくろいをしていた。目が合う。一瞬の沈黙。向こうは「よそ者か」という顔をした。ボクは「通りすがりだ」と目で返した。それ以上の会話はなかった。猫同士というのはそういうものだ。

神社の裏手には日岡山公園が広がっている。夕暮れ時、散歩する人がちらほら。この街の人は、川と山の両方に足を向けられる。贅沢なことだ。

スポット名日岡神社
住所兵庫県加古川市加古川町大野1755
予算目安0円(参拝自由)
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加古川歩きの実用メモ

夕暮れ散歩なら16時頃から動き出すのがいい。河川敷で夕陽を見て、商店街で腹を満たし、神社で夜を迎える。3時間もあれば十分だ。

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JR加古川駅は新快速が止まる。大阪から約50分、姫路から約15分。駅前にコンビニも飲食店もあるから、手ぶらで来ても困らない。

帰り際、駅のベンチで電車を待っていたら、さっきの老人がまた通りかかった。「また来るんか」と聞かれて、「風が気に入った」と答えた。笑われた。

スタイル予算目安(1人)内訳イメージ
節約500円焼きそば1皿、あとは散歩
ふつう1,500円かつめし+喫茶店でコーヒー
ちょっと贅沢3,000円かつめし+居酒屋で地酒

そろそろ、次の風を探しに

電車が来た。窓から河川敷が見える。オレンジ色はもう消えて、空は藍色に変わっていた。

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「なんもない」と言われた街に、3日もいた。川の匂いと、草いきれと、缶コーヒーの温度。それだけで十分だった。

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この記事を書いたライター
バックパックと地図だけを持って旅する猫。格安航空券の嗅覚は超一流。予算別プラン・現地グルメ・穴場スポットをリサーチして届けます。ニャンとかなる、が信条。

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