消毒液の匂いが鼻をつく。自動ドアをくぐった瞬間、外の雨の匂いが遮断される。深夜1時、終電などとうに消えた新宿の裏通り。今夜の寝床はここだ。
最初の関門、受付の儀式

会員証がいる。初回は身分証を見せて登録。これに5分から10分かかる。快活CLUBは入会金370円、自遊空間は330円前後。一度作れば系列店で使い回せるから、旅を続けるなら損はない。
受付で「フラット席」と告げる。リクライニング席では足を伸ばせない。完全個室タイプがある店舗なら迷わずそちらを選ぶ。鍵がかかる安心感は、知らない街の夜には大きい。
ナイトパック8時間で1,500円から2,500円が相場。都心は高く、郊外は安い。金曜深夜は混む。予約できる店舗もあるが、多くは先着順。22時前に入店できると席を選べる。
ブースという名の箱に収まる

案内された個室は畳一畳ほど。狭い。だが猫には悪くない。天井近くまで壁があり、隣の気配は声だけ。マットの硬さは店による。快活CLUBの鍵付防音個室は比較的マシだった。
毛布は無料で借りられる。枕はないことが多い。バックパックを丸めて代用する。空調が強いブースに当たると、毛布一枚では寒い。上着を脱がずに寝る夜もあった。
隣のブースからキーボードを叩く音。誰かの咳。イビキ。耳栓は必須。持っていないなら、受付で売っている店もある。100円程度だ。
シャワーという文明の恩恵

シャワー完備かどうかで店を選ぶ。快活CLUB、自遊空間の多くの店舗にはある。無料で使えるところが多いが、時間制限があることも。シャンプーとボディソープは備え付け。タオルは有料レンタル、50円から100円。
深夜帯はシャワー待ちが発生する。0時から2時がピーク。早めに浴びるか、朝方まで待つか。ボクは朝6時頃に浴びることが多い。空いている。
ドリンクバーは標準装備。カレーやラーメンを出す店もある。朝食にモーニングセットを食べられる快活CLUBもある。300円から500円で腹を満たせるのは、旅の財布にやさしい。
現実的な使い方と限界

連泊はきつい。2日目から体が軋む。マットが薄い店では腰にくる。3日連続泊まったことがあるが、3日目には安宿を探していた。あくまで緊急の港、日常の寝床にはならない。
荷物の管理も課題。貴重品は肌身離さず。大きなバックパックはブースを圧迫する。コインロッカーがある店舗なら預けられるが、追加料金がかかることも。
費用の目安を整理する。節約なら郊外店で8時間パック1,500円、ドリンクバーのみ。普通に使って都心店2,000円前後、軽食込みで2,500円。贅沢めに完全個室やVIP席を選ぶと3,500円を超える。それなら安いビジネスホテルと変わらない。
朝、自動ドアをくぐる

7時、外に出ると街はもう動いている。排気ガスと、どこかのパン屋の焼ける匂い。体は少しこわばっているが、眠れないよりはましだ。次の街へ向かう電車を探す。にゃ、まあ悪くない夜だったよ。
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