睡眠不足が脳に与えるダメージとは?神経科学で解明

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なぜ寝不足だと頭がボーッとするのか?

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実はの、わしもずっと気になっておったのじゃ。徹夜明けに頭がぼんやりして、簡単な計算すらできなくなるあの感覚。コーヒーを何杯飲んでも、なぜか脳が動いてくれないのじゃよ。

「気合いが足りない」「根性で乗り切れ」なんて言う人もおるがの、これは根性の問題ではないのじゃ。脳の中で、とんでもないことが起きておるのじゃよ。

睡眠不足の脳は、いわば「ゴミ屋敷状態」になっておる。掃除をサボった部屋のように、脳内に老廃物がどんどん溜まっていくのじゃ。ほほう、これは怖い話じゃろう?


睡眠中に脳で何が起きているのか?

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グリンパティック・システムという「脳の洗浄機」

つまりね、めちゃくちゃ簡単に言うと――脳には「夜間専用の掃除システム」があるのじゃ。これをグリンパティック・システムと呼ぶ。つまり、寝ている間だけ動く脳内の清掃業者ということじゃ。

起きている間、脳はフル稼働しておるから、掃除する余裕がないのじゃ。ところが眠りに入ると、脳細胞が約60%も縮小して、その隙間を脳脊髄液がジャブジャブ流れて老廃物を洗い流すのじゃよ。

アミロイドβという「脳のゴミ」

洗い流される老廃物の中で、特に厄介なのがアミロイドβ(ベータ)というタンパク質じゃ。これが溜まりすぎると、アルツハイマー病の原因になると言われておる。

睡眠不足が続くと、アミロイドβが脳に蓄積し続ける。まるでゴミ収集車が来ない街のようなものじゃ。

シナプスの「刈り込み」ができなくなる

もう一つ大事なことがあるのじゃ。脳の神経細胞同士をつなぐシナプス(つまり、情報を伝える接続部分じゃな)は、睡眠中に整理されるのじゃ。

不要な接続を刈り込み、必要な接続を強化する。これが記憶の定着の正体じゃ。寝不足だと、この作業ができないから、新しいことを覚えられなくなるのじゃよ。


最新の研究によると、脳が「自分を食べ始める」らしいのじゃ

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最近、イタリアのマルケ工科大学の研究チームが発表した論文でな、衝撃的なことがわかったのじゃ。

慢性的に睡眠不足のマウスの脳を調べたところ、アストロサイト(つまり、脳を守る細胞じゃな)が、なんと健康なシナプスまで食べ始めていたのじゃ。

睡眠状態アストロサイトの活動影響
十分な睡眠古いシナプスのみ除去脳が健康に保たれる
短期の睡眠不足活動がやや活発化軽度の影響
慢性的な睡眠不足健康なシナプスも破壊認知機能低下のリスク

つまりね、めちゃくちゃ簡単に言うと――脳が自分自身をかじり始めるということじゃ。掃除業者が暴走して、大事な家具まで捨て始めるようなものじゃよ。

さらに、ハーバード大学の研究では、1週間の睡眠不足で、脳の一部が3〜5歳老化するという報告もあるのじゃ。恐ろしいことじゃろう?


ついでに覚えておくと面白い雑学じゃ

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  • イルカは脳の半分ずつ眠る — 完全に眠ると溺れてしまうからの。片方の脳で泳ぎながら、もう片方を休ませておるのじゃ。
  • ギネス記録の不眠は11日間 — 1964年にアメリカの高校生が達成したが、後半は幻覚・妄想・記憶障害が出たのじゃ。脳へのダメージは深刻じゃった。
  • 江戸時代の日本人は「二度寝」が普通じゃった — 夜中に一度起きて、また寝る「分割睡眠」が一般的じゃったのじゃ。電気がない時代の知恵じゃの。

実はの、現代人が「一度に8時間眠る」のは、産業革命以降の習慣なのじゃ。人間の脳は、もともと違う眠り方に適応しておったかもしれんのじゃよ。


で、結局どういうことじゃ?

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まとめると、こういうことじゃ。

  • 睡眠中、脳は老廃物を洗い流し、記憶を整理しておる
  • 睡眠不足が続くと、アミロイドβが蓄積して認知症リスクが上がる
  • 最悪の場合、脳が自分自身を破壊し始める
  • 1週間の睡眠不足で、脳が数歳老化するという研究もある

「寝る間を惜しんで頑張る」は、美徳のように言われることもあるがの、脳科学的には完全に間違いなのじゃ。寝ることは、サボりではない。脳のメンテナンス時間なのじゃよ。

わからないことは、世界で一番おもしろい。そして、わかったことを活かすには――ちゃんと寝ることが大事なのじゃ。

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この記事を書いたライター
小さな体に、とんでもない知識を詰め込んだ謎の天才研究者。脳科学・歴史・心理学・テクノロジーを「世界一わかりやすく」解説する。

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