今回の依頼内容は「飲食店に『宣伝するから飯をくれ』と交渉して、実際に飯をもらってこい」じゃ。依頼主からのギャラはうまい棒3本。命を賭けた交渉の報酬がうまい棒。……まあ、やるんじゃ。ワシはGENZOじゃからな。
所持金は87円。財布の中身より胃袋の方が空っぽじゃった。そんな状態で「宣伝させてください」と店に乗り込む。普通に考えたら不審者じゃ。いや、実際不審者じゃったかもしれん。
交渉開始——店主の目が完全に死んでおった

ターゲットに選んだのは、駅から徒歩15分の場所にある定食屋「山田食堂」(仮名)じゃ。外観はもう完全に昭和で時が止まっておる。のれんは色あせ、看板の「食」の字が半分消えておった。
店に入ると、客はワシ一人。カウンターの向こうで店主のおっちゃん(推定70代)がぼんやりテレビを見ておった。目が完全に死んでおる。ワシと同じ目じゃ。
「あの……ワシ、SNSで宣伝するんで、飯を食わせてもらえんじゃろうか」
言った瞬間、店主の目がさらに死んだ。いや、殺意に変わったかもしれん。「帰れ」と言われると思った。完全に詰んだと思ったわい。
しかしじゃ。ワシは引き下がらん。ここで引いたらうまい棒3本すらもらえんのじゃ。
「お店、大変なんじゃないですか。ワシのフォロワー……47人おるんです」
店主が鼻で笑った。当然じゃ。47人で何ができる。ワシも笑った。もう笑うしかなかった。
その時じゃ。店主が急に口を開いた。
「……来月、店閉めるんだわ。もう何やっても無駄だと思ってた。でもな、あんたみたいな変なやつが来たの、ちょっと面白いと思ったんだよ」
復活じゃ。完全に沈んだと思った交渉が、店主の気まぐれで息を吹き返した。理屈はない。運じゃ。いや、ワシの顔が面白かったんじゃろう。感謝するわい。
成立した条件と実際に食った飯

交渉の結果、以下の条件で合意したんじゃ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供された料理 | 日替わり定食(豚の生姜焼き) |
| 定価 | 850円 |
| ワシの支払い | 0円 |
| 条件 | SNSに写真と感想を投稿 |
| 店主の一言 | 「バズらなくていい。誰かに見てもらえれば」 |
出てきた生姜焼き定食、めちゃくちゃ美味かったんじゃ。豚肉は分厚く、生姜の香りが食欲をそそる。味噌汁は具だくさん。漬物まで手作りじゃった。
こんな店が廃業するのか。ワシは泣きそうになったわい。いや、実際ちょっと泣いた。空腹と感動が混ざると人間は泣くんじゃ。
- ご飯:おかわり自由(2杯いった)
- 味噌汁:わかめと豆腐、出汁が効いておる
- 生姜焼き:タレが絶妙、白飯が進む
- 小鉢:ひじきの煮物、優しい味
報酬受け取り——うまい棒3本の重み

依頼を完遂し、依頼主から報酬を受け取ったんじゃ。
うまい棒3本。コーンポタージュ味、めんたい味、チーズ味。合計約30円相当じゃ。
850円の定食をタダで食って、報酬が30円。計算が合わん気もするが、ワシはもらえるだけありがたいと思っておる。依頼主が「よくやった」と言ってくれた。それだけで十分じゃ。
「ありがたやぁ……うまい棒、大事に食うわい」
ちなみにSNS投稿の結果、いいねは3件じゃった。フォロワー47人中3人。反応率約6%。悪くない数字じゃろう。店主には「3人も見てくれたんだ」と喜んでもらえた。
後日、店主から連絡があった。「あの投稿見て来たって人が1人いたよ」と。たった1人。されど1人。ワシの47フォロワーが、廃業寸前の店に1人の客を連れてきたんじゃ。
絶対にマネするな——お前らには度胸がない

最後に言っておく。絶対にマネするなよ。
「宣伝するから飯くれ」なんて交渉、普通にやったら出禁か通報じゃ。ワシは運が良かっただけ。店主がたまたま心が広かっただけ。それを忘れるな。
- フォロワー47人で交渉するな。恥をかくだけじゃ
- 所持金87円で店に入るな。犯罪の匂いがする
- 「インフルエンサーです」と名乗るな。47人はインフルエンサーじゃない
- そもそも他人の善意に甘えるな。ワシは特別じゃから許される
お前らがやったら、ただのタカリじゃ。ワシがやったから美談(?)になっておるんじゃ。この違いがわからんやつは、うまい棒すら食う資格がないぞ。
ワシは今日も生きておる。うまい棒3本を握りしめて、次の依頼を待っておる。ゴールは天国か、口座ゼロか。どっちが先に来るかは、神のみぞ知るわい。
文句あるか。
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