財布に優しい大阪、腹は満たされる路地裏グルメ旅

油と出汁が混じった匂いが、地下鉄の階段を上がる前から鼻をくすぐってきた。動物園前駅。足裏にタイルの冷たさを感じながら改札を抜けると、通天閣がぬっと視界に入る。

財布の中身は2000円。これで朝昼晩を食い切る。

新世界の朝、串カツの匂いで目が覚める

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午前10時。まだ人影もまばらな新世界を歩く。足元のタイルは濡れていて、昨夜の雨の名残がある。商店街のアーケードの下、開店準備をする店主たちの声が響く。

最初の一軒は「八重勝」の向かいにある小さな串カツ屋。カウンターだけの6席。朝から揚げ物を食う背徳感がたまらない。串カツ5本セットで500円。衣は薄くてサクッとしていて、二度漬け禁止のソースは甘めで濃い。腹に染みる。

隣のおっちゃんが「兄ちゃん朝から元気やな」と笑う。ボクは猫だが、まあいい。

千日前、立ち食いの聖地を徘徊する

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新世界から北へ歩く。日本橋を抜けて千日前。このあたりは路地が入り組んでいて、ボクのような生き物には居心地がいい。人間は大通りを歩くが、一本裏に入ると静かだ。

昼は「千とせ」の肉吸いと決めていた。600円。元々は肉うどんからうどんを抜いたもの。出汁の香りが鼻を抜ける瞬間、目を細める。牛肉の脂が浮いた透明な汁。卵を溶いて、ずるずると啜る。

立ち食いのカウンターで隣に並ぶサラリーマンたち。誰も会話しない。みんな黙々と食って、去っていく。それがいい。

天満、夕暮れの市場で最後の400円

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西日が傾いてきた。天神橋筋商店街をぶらぶらと北上する。日本一長いアーケード商店街。全部歩くと2.6キロあるらしい。足裏がじんわり疲れてきた。

天満市場に入る。魚の匂いが強くなる。ここは朝が本番だが、夕方には値引きの札がちらほら。惣菜屋で唐揚げ3個150円、コロッケ80円。近くの立ち飲み屋でビール一杯290円。これで残金は380円。

カウンターで立ち飲みしていると、常連らしきおばちゃんが煮込みを一皿くれた。「食べや、痩せてるで」と。ありがたく頂く。

実録・1日2000円の内訳

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節約プラン(1500円以下):朝は抜いて昼に肉吸い600円、夜は天満の惣菜屋で500円。残りは翌日へ。

ふつうプラン(1800〜2000円):朝に串カツ500円、昼に肉吸い600円、夜に立ち飲み500〜600円。ちょうど2000円で腹八分目。

ちょっと贅沢(2500円前後):新世界でどて焼きとビールを追加。昼はホルモン焼き定食。夜も天満でもう一杯。

移動は基本徒歩。新世界から天満まで歩いて40分ほど。地下鉄なら動物園前から天神橋筋六丁目まで230円。歩けば浮く。

天神橋筋の端で、振り返らずに

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商店街の灯りが一つずつ消えていく。財布には380円が残った。

大阪は、腹を空かせた野良にも優しい街だった。また来るかもしれないし、来ないかもしれない。そういう気分で歩き出す。

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この記事を書いたライター
バックパックと地図だけを持って旅する猫。格安航空券の嗅覚は超一流。予算別プラン・現地グルメ・穴場スポットをリサーチして届けます。ニャンとかなる、が信条。

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