駐車場のアスファルトがまだ黒々としている。でも上を見れば、看板を外した跡が白く残っていた。ここ、前はパチンコ屋だったはずだ。
郊外ロードサイド、変わりゆく風景

群馬のある国道沿い。風が土埃を運んでくる。足元のコンクリートはひび割れて、雑草が隙間から顔を出していた。
2000年代には全国に約1万8000軒あったパチンコ店。2023年には約7000軒まで減った。3軒に2軒が消えた計算になる。
この跡地、今はドラッグストアになっていた。チェーン店の看板が、かつての派手なネオンの記憶を塗りつぶしている。駐車場の広さだけが、前の姿を想像させる。
店員さんに聞いたら「3年前までパチンコ屋でしたよ」と教えてくれた。地元の人には当たり前の風景の変化なのだろう。
介護施設に生まれ変わる巨大な箱

愛知県の郊外。元パチンコ店の建物がそのまま介護施設になっていた。外壁は塗り直されて、やわらかいクリーム色。
中を覗くと、天井が高い。もともとの構造をそのまま活かしているらしい。広いワンフロアは、デイサービスのスペースにちょうどいいのだとか。
近くの塀の上で日向ぼっこしていたら、施設の職員さんが話しかけてきた。「この辺、昔は夜中まで明るかったんですよ」。今は夕方6時には静かになる。
高齢化率が30%を超える地域。パチンコ店が介護施設に変わるのは、ある意味で時代の必然かもしれない。
コインランドリー、倉庫、そして更地

大阪の下町を歩いていたら、妙に広いコインランドリーを見つけた。洗濯機が30台以上並んでいる。ここも元パチンコ店だった。
乾燥機の熱気が外まで漂ってくる。冬場は暖かくていい。ガラス越しに中を眺めていると、常連らしきおばあさんが世間話をしていた。
他にも、物流倉庫になった例、フィットネスジムに変わった例、スーパーマーケットになった例を見てきた。どれも「広い床面積」「大きな駐車場」という特徴を活かしている。
一方で、更地のまま放置されている場所も少なくない。雑草が腰の高さまで伸びて、看板だけが錆びたまま立っている。解体費用が出せないのか、買い手がつかないのか。
跡地を見れば、街の今がわかる

パチンコ店跡地の「その後」は、地域によってはっきり分かれる。
都市部や郊外のロードサイドでは、ドラッグストア、スーパー、フィットネスジムへの転用が多い。テナントがすぐ決まる。
地方や過疎地域では、介護施設やデイサービスが目立つ。高齢者向けサービスの需要が高いからだ。
それ以外の場所は、更地か廃墟のまま。塀の隙間から中を覗くと、壊れた椅子やカウンターがそのまま残っていることもある。
跡地調査をするなら、車があると便利。徒歩だと1日3〜4軒が限界だった。電車で行ける駅前物件は少ない。
ネオンの記憶、静かに消えゆく

夕暮れの国道沿い。かつてはこの時間、どの店も電飾がギラギラと光っていたはずだ。
今は街灯だけがぽつぽつと灯る。風が少し冷たくなってきた。そろそろ行くか。
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